歯科口腔外科について
口腔外科とは、お口の中、顎、顔面等に現れる先天性および後天性の病気を診断、治療する診療科です。
対象疾患は、歯が原因のものから、がんなどまで、さまざまです。
また、交通事故やスポーツなどの外傷や顎変形症、唾液腺疾患などに加え、口腔粘膜の疾患や神経性疾患、口臭症などの内科的疾患も含まれます。
これらの外傷や病気により正常な咀嚼機能、構音機能(言葉の音声を発する機能)が障害を来たし、美容的な問題まで生じます。
口腔外科治療を行うことは、失われた機能や形態の回復、症状の緩和を行うことを目的としています。
以下のような症状の方はご相談ください
● 歯の奥が痛い、歯茎が腫れた
親知らずや永久歯などが顎の骨に埋まったままうまく生えないと(埋伏歯:まいふくし)、それが原因となって歯茎に炎症を起こしたりします。
また、虫歯や歯周病が原因で歯茎に膿が溜まり、腫れてくることがあります。
● お口の中のできもの、水ぶくれ
お口や舌にできもの(腫瘍)が出来ることがあります。良性の場合は、摘出・切除が必要です。また、水ぶくれのようなできもの(嚢胞:のうほう)が出来た場合も、同様に摘出が必要です。
● 口や顎の外傷
交通事故やアクシデントなどで、顎骨が骨折した場合や歯が欠けてしまった場合、口の中の切り傷なども口腔外科の治療範囲となります。
親知らずの抜歯
普通に生えていて、普通に噛めている親知らずなら、無理に抜く必要はありません。ただし、親知らずは正しい位置に生えてくることがあまりなく、横に生えたり、生え切らなかったりするケースがほとんどです。そのため腫れを来したり、メンテナンスがしにくかったりすることから、隣の歯までが虫歯になることが多く、何かとトラブルの原因になりがちです。
そのような親知らずは、抜いてしまったほうが良いと考えます。
まずはお気軽にご相談ください。
顎関節症
顎関節症は、顎を動かしたときに痛みが走ったり、口を開けたり閉じたりしたときに関節部がポキッと鳴る、などの症状が見られる症候群で、20~30代の若い女性に多く見られます。
● 顎関節症の症状と原因
主に以下のような症状が現れます。
- 顎が痛む
- 口を大きく開けられない
- 顎を動かすと音が鳴る
- 噛み合わせに違和感がある
- 口を完全に閉じられない
――以上のほかにも、顎の周辺だけでなく、首や肩、腰をはじめ全身のいろいろな部分に多様な症状が現れることがあります(逆に、顎の周辺に異常があるからと言っても顎関節症とは限りません)。
原因としては、くいしばり、歯ぎしり、外傷、精神的ストレス、左右いずれか片側の口でばかり噛む習慣などのほか、さまざまな要因が絡み合っていると考えられ、原因もタイプもさまざまです。
● 顎関節症の治療
治療法には、以下のような方法があります。
- ■ 認知行動療法
-
「くいしばり」「歯ぎしり」「歯をカチカチならす」など(ブラキシズム)の癖や片側の口でばかり噛む習慣とその背景因子を本人に自覚させ、止めさせるように導く心理的な手法です。
- ■ 運動療法
-
口を開いたり、顎を動かしたりする訓練です。
- ■ 薬物療法
-
薬で炎症を鎮めたり、痛みで凝り固まった筋肉に筋弛緩剤を投与して緩めます。また、夜間の歯ぎしりや食いしばりを抑えるために睡眠導入剤、痛みの軽減のために抗不安薬、抗うつ薬を処方する場合もあります。
- ■ 物理療法
-
痛みを軽くするために、患部を温めたり冷やしたりします。
- ■ スプリント療法
-
装具(顎関節症用マウスピース)を用いて、くいしばりや歯ぎしりの弊害を緩和します。
- ■ マニピュレーション法
-
関節円盤という、顎関節のクッション役をしているコラーゲン組織を正しい位置に戻す手法です。
――以上のようにいろいろな方法がありますが、重症になると外科手術が必要になる場合もあります。
当院では多方面にわたる検査を行い、その結果を総合的に判断した上で、個々の患者様に最もふさわしい治療法をご提案いたします。